― 不満を言わない人が、静かに消えていく理由
「なぜか、できる人から辞めていく」
経営やマネジメントに関わっていると、
一度は感じたことのある違和感ではないでしょうか。
- 離職率が高いわけではない
- 大きなトラブルも起きていない
- それでも、要となる人材が抜けていく
この現象は、偶然でも、世代の問題でもありません。
組織の構造として、起きやすい理由があります。

辞めていく人に共通する「静かな特徴」
優秀な人が辞めるとき、
多くの場合、兆候はとても分かりにくい形で現れます。
- 文句を言わない
- 淡々と仕事をこなす
- 改善提案をしなくなる
- 相談を持ちかけなくなる
表面上は「安定した社員」です。
だからこそ、周囲はこう思ってしまう。
「問題はなさそうだ」
しかし実際には、
心の中ではかなり前から結論が出ている
ケースが少なくありません。
なぜ「不満を言わない人」ほど辞めるのか
不満を口にする人は、
まだ組織に期待しています。
- 改善してほしい
- 変わる余地がある
- 話せば分かってもらえる
そう信じているからこそ、言葉が出ます。
一方で、
何も言わなくなった人はどうでしょうか。
それは、
「もう期待していない」状態です。
期待していない相手に、
エネルギーを使って説明はしません。
優秀な人ほど、組織の歪みに早く気づく
一般に「優秀」と評価されやすい人には、
共通した傾向があります。
- 全体を見ようとする
- 空気を読む
- 自分が我慢すれば回ると分かっている
- 問題を内側で処理できてしまう
こうした人ほど、
組織の小さな歪みに早く気づきます。
そして多くの場合、
その歪みを自分の力で何とかしようとする。
しかし、時間が経つにつれて、
こうした問いが強くなっていきます。
「この会社に、ここまで耐えて残る意味はあるのか」
経営層が気づきにくい理由
優秀な人が辞める直前まで、
経営層や上司が気づけないのには理由があります。
- 問題を起こさない
- 数字も悪くない
- 表面上は安定している
つまり、
「管理指標に引っかからない」状態だからです。
結果として、
- 「まさか辞めるとは思わなかった」
- 「突然だった」
という認識になります。
しかし本人の中では、
突然ではありません。
かなり前から、心の中では終わっている
それが現実です。
給与や待遇だけが理由ではない
人が辞める理由として、
真っ先に挙がるのは待遇や給与です。
もちろん、それも要因の一つではあります。
ただし、優秀な人が辞める理由は、
それだけではありません。
- 判断の基準が見えない
- 何を大切にしている会社なのか分からない
- 誰も本質的な問題を扱わない
こうした状態が続くと、
能力のある人ほど
「ここで考え続ける意味」を失っていきます。
この問題の本質は「人」ではなく「構造」
重要なのは、
この問題を個人の資質や性格の問題にしないことです。
- 我慢強すぎる社員が悪い
- 意見を言わないのが悪い
そう片づけてしまう限り、
同じことが繰り返されます。
問うべきなのは、
- 何が判断され、何が放置されているのか
- 問題が言語化される回路があるか
- 意見が出る前提が共有されているか
組織の設計そのものです。
最後に
優秀な人が辞めていく会社は、
必ずしもブラックな会社ではありません。
むしろ、
真面目で、頑張っていて、
表面上は「ちゃんとしている会社」
であることも多い。
だからこそ、
気づいたときには
人がいなくなっている。
もし今、
- 辞めていく人の顔が思い浮かぶ
- 「あの人がいなくなった理由」を説明できない
そう感じたなら、
それは組織を見直す重要なサインかもしれません。
補足(運用メモ)
- note版:体験・共感・問いかけ
- WordPress版:離職を生む組織構造の言語化
このWP記事は、
「離職防止ノウハウ」ではなく
“なぜ人が静かに去るのかを理解するための記事”
として設計しています。


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