― それは能力ではなく「構造」の問題です
「数字が苦手なんです」
経営者や管理職の方から、非常によく聞く言葉です。
- 決算書は税理士に任せている
- BSやPLを見ると頭が止まる
- 細かい数字は分からなくていいと思っている
しかし、はっきり言います。
それを理由にしている限り、経営は確実に苦しくなります。
ただし、これは
「あなたに能力がないから」
ではありません。
経営が苦しくなる構造が、「数字が苦手」という感覚を生み出している
それが本質です。

「数字が苦手」という思い込みの正体
多くの人が、数字について次のような誤解を持っています。
- 数字=計算力
- 数字=会計の専門知識
- 数字=専門家が扱うもの
ですが、経営で必要な数字は、
正確な計算力ではありません。
社長や管理職が見るべき数字は、極端に言えばこれだけです。
- 増えているか
- 減っているか
- 想定とズレているか
これは、計算が得意でなくても分かります。
つまり問題は、
「数字が読めない」のではなく
「何を見ればいいか教わっていない」
という点にあります。
数字を避けるほど、不安は増幅する
「数字が苦手」と感じている人の多くは、
無意識に数字から距離を取ります。
その結果、次の構造に陥ります。
- 数字が苦手
↓ - 見ない
↓ - 状況が分からない
↓ - 不安が増える
↓ - さらに数字を避ける
これは完全な悪循環です。
重要なのは、
数字が苦手だから不安になるのではない
という点です。
数字を見ないから、不安になる。
順番が逆なのです。
数字を見る=現実を見る、という重さ
もう一歩踏み込みましょう。
数字を見るという行為は、
単に情報を確認することではありません。
- 数字を見る
= 現実を見る - 現実を見る
= 判断が必要になる - 判断
= 責任が発生する
つまり、
数字を避ける心理の正体は「計算嫌い」ではなく、責任への恐れです。
これは、真面目で責任感の強い人ほど陥りやすい構造です。
数字が苦手なのは、弱さではない
ここは誤解してほしくありません。
数字が苦手だと感じること自体は、
経営者や管理職として異常ではありません。
むしろ、
- 数字の重みを理解している
- 判断の影響を分かっている
からこそ、
無意識に距離を取っているだけ、というケースが大半です。
問題は、
その状態を放置してしまうことです。
経営を楽にする「最低限の数字との向き合い方」
経営者がやるべきことは、
すべての数字を理解することではありません。
まずは、これだけで十分です。
- 毎月、同じ数字を見る
- 前月・前年と比べる
- 想定とズレた理由を考える
この3つを続けるだけで、
数字は「恐怖」から「判断材料」に変わります。
最後に
数字が苦手だから、経営が苦しい。
そう思っている限り、状況は変わりません。
逆です。
構造的に数字と向き合っていないから、経営が苦しくなる。
数字は、社長を責めるためのものではありません。
判断を助け、経営を楽にするための道具です。
一歩でいいので、
「苦手だから見ない」
この構造から抜けてみてください。
そこから先は、
思っているほど怖くありません。
補足(運用メモ)
- note版:共感・安心・行動促進
- WordPress版:「数字が苦手」という感覚の構造化・再定義
このWP記事は、
「財務の勉強法」ではなく
“数字に向き合えない心理構造を解きほぐす記事”
として設計しています。

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