近年、「補助金が誰でも簡単に取れます!」といった宣伝をよく目にします。
LINE登録を促すチラシやSNS広告などで、「申請期限迫る!」と焦らせるような内容も増えています。
中には「2025年5月30日まで」と日付が記載されており、あたかもそれが補助金の公式締切のように見える表現もあります。
こうした情報は、十分に注意が必要です。

■ 「返還不要」は本当に正しい?
「補助金は返さなくてよい」という説明もよく見かけますが、これは正確には誤解を招く表現です。
実際には、
- 条件によっては返還義務が発生することがある
- 補助事業の進捗や報告義務を怠れば、支給対象から外れることもある
補助金=“もらえるお金”と安易に考えるのは危険です。
■ 補助金の補助率と仕組み
基本的に補助金は…
- 中堅企業:1/2
- 中小企業:2/3
…の補助率で、残りは自己負担となります。
さらに重要なのは、いったん全額を立て替え、あとから補助金が入金される点です。
そのため、資金繰りが厳しい企業にとっては、むしろリスクになり得ます。
■ よくある失敗事例
補助金を活用して導入したものの…
- 自社に不要な機器だった
- 活用されずに倉庫の肥やしになっている
- 補助金は取れても、事業の成長にはつながらなかった
こうしたケースは非常に多く見られます。
「補助金が取れること」だけをゴールにしてしまうと、本来の目的を見失ってしまいます。
■ 補助金は“事業への投資”という意識が必要
補助金は国からの支援とはいえ、企業の将来性に対する投資的な意味合いが強い制度です。
だからこそ、
- 魅力的なビジネスモデル
- 持続性のある収益構造
- 明確な市場戦略
といった要素が必要であり、一定の自己負担が求められるのも当然といえます。
■ まとめ:安易な広告には要注意
- 「誰でも取れる」は誤解を招きます
- 自社に必要な投資かどうかを見極めることが重要
- 信頼できる専門家と一緒に、事業計画から見直すことが成功への近道です
補助金はうまく使えば強力な成長エンジンになりますが、
間違った導入は企業体力を奪う“毒”にもなります。
情報を見極め、経営判断を誤らないようご注意ください。
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