時間を浪費する経営は危険。手仕事の美学と効率化のバランスを考える

中小企業のデジタル化

▼はじめに|“こだわり”が経営を圧迫していないか?

あるラーメン店の社長がこう話してくれました。
「うちのスープは手間がかかるんです。毎日23時までかかって完成します」
その言葉に、私は思わずこう返しました。

「それって修行ですか? 経営ですか?」

笑い話のように聞こえるかもしれませんが、
このやりとりには中小企業に共通する深刻な課題が含まれています。


▼経営における最大の“平等資産”とは?

それは時間です。
資金や人材は企業によって差がありますが、時間だけは誰にとっても1日24時間。

つまり、経営における最も貴重で公平なリソースなのです。


▼時間を奪う“手作業”は最適化できるか?

社長の話によれば、スープ作りの工程で特に時間がかかるのは「肉を蒸す作業」。
これを圧力鍋で短縮できるのではと尋ねたところ、
「圧力鍋が高い」との返答。

しかし、導入すれば最大で4時間短縮できることが分かりました。

さらに、食材カット工程を自動化すれば、17時退勤も可能になるとのこと。


▼“手間=価値”という思い込みを疑う

中小企業の経営者や熟練職人に多いのが、
「手作業こそが品質を生む」という信仰です。

もちろんその精神は尊重されるべきですが、
そのこだわりが経営資源を圧迫していないか、見直す必要があります。


▼補助金や融資を活用した業務改善を

設備投資に対する心理的ハードルが高い企業は多いですが、
最近は「業務改善」や「生産性向上」をテーマにした補助金が充実しています。

銀行融資も、収益改善を見込める内容であれば通りやすい傾向にあります。


▼まとめ|こだわりを持つなら、時間にこそ

“手間をかける価値”を維持するためにも、
経営者自身が「時間を創る努力」を怠らないことが重要です。

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